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2025.10.2218:00

「シノプティコン」ディスクレビュー公開

2ヶ月連続リリース
第一弾「シノプティコン」配信開始
https://linkcloud.mu/11b93a15


音楽キュレーター・ライターとして活動する
先取り邦ロック紹介の遊津場氏によるディスクレビューを公開!


リアルで戦ってきたバンドのプライドが滲む!

シノプティコン?知らない言葉だ…
というわけで意味を調べると、

〈多数の市民(見る側)が、マスメディアなどを通じて少数のエリート(見られる側)を監視する「下から上への監視」の形態〉

とのこと。
エリートというのはインディーズバンドにとっては少し強い言葉かもしれないが、
世の中でゼロイチを生み出すバンドマンだったり、そういうクリエイトする人々の能力と覚悟というのは、あまり時代関係なく、なかなかに稀有でリスペクトの対象となる存在であると思っている。偉い偉くないとかではなくてね。
ただ時代によって変わったのは、そういうクリエイトする存在が徐々に〈見世物〉として気軽に消費する周囲だ。ただの捌け口として使う人もいちゃうよね。

まぁSNS総監視社会、市民ジャーナリズムの過激化というのは、もう何年も言われてきていることでもある。
その中でバンド7年目のThe Gentle Flower.が、このタイミングで、このテーマを歌うというのは、どんな意味があることなのか。
彼らにはもちろん様々な曲があるけども、イメージとしてはキラキラとした純粋な心を歌うバンド。実際高校野球のテーマソングを担当したり、スポーツの青春と汗!が似合う。
今作はある意味対とも言える雰囲気だ。それはバンドマンとして社会に、あなたに伝えておかないといけない焦燥感や危機感を感じているのではと思ったのではないか。それでも持ち味であるポップ性は失われてないところにはプライドを感じる。

東京でのライブも多いが、彼らの出身は群馬県沼田市。沼田市に行ったことはないけれど長閑そう。私も自然豊かな環境で育ったので、人の温かみに文字通り触れながら育ったのではないかと思っている(超ハイテクタウンだったらごめんなさい)。
そしてライブというものを7年大事にしてきて、リアルで対面だからこそ生まれる”素顔”を沢山見てきたはずだ。
そんなバンドが丸裸で届ける現代に向けたメッセージソングを受け取ってほしい。


text by 遊津場

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